さいとう・たかを劇画文化財団では、分業・プロダクション方式でのコミック制作を貫いてきた 「さいとう・たかを」の志を受け継ぐコミック制作者に光を当て表彰し、その制作文化の継承を行うことを目的とした「さいとう・たかを賞」を2017年より開催して参りました。
今年度は新型コロナウイルス感染拡大の情勢下においても「さいとう・たかを賞」の目的である『ゴルゴ13』制作システムの文化継承を実行していくべく、例年とは異なり、分業・プロダクション方式でのコミック制作に長らく尽力してきた方に<特別賞>を贈呈する運びとなりました。厳選なる選考の結果、積年の多大な功績は言う及ばず、「武論尊塾」における私費での後継者育成を継続されている 武論尊氏 に賞を贈ります。
この度は、さいとう・たかを賞<特別賞>をいただき本当にありがとうございます。
デビューして48年になる老兵には思いもよらぬ朗報でした。
このところ私の作品が思ったほどの結果を得られず、作画の先生や掲載誌に少なからず迷惑をかけている状態での受賞で正直とまどいもあります。
ですがこれは、さいとう先生の「わしがまだ現役でやっとるのにデビュー48年の73才の若造が何をぬかしとるか。もっと頑張らんかい!」という優しい叱咤と捉え、まだ前へ進もうと思います。精進します。
今日は祝杯です。
プロフィール
本名、岡村善行。1947年長野県佐久市生まれ。15才で入隊した航空自衛隊の同期生、漫画家本宮ひろ志との縁で原作の道へ。1972年少年ジャンプでデビュー。『ドーベルマン刑事』『北斗の拳』の原作担当。史村翔のペンネームで『サンクチュアリ』担当等。
さいとう・たかを賞とは分業システムにより作品創りにチャレンジする次世代の制作者に賞を与えてきましたが、今回は特別賞としてこの業界のために尽力されている方に贈りたいと思います。武論尊氏は多くの作品を手掛けながらも「武論尊100時間漫画塾」を開催されたりと、この業界の為に後人の育成に尽力されている事は大いに評価されるべきだと思います。